相続を弁護士に相談するタイミングはいつがよいか
1 相談するタイミングはできるだけ早めが望ましい
弁護士に対する相続のご相談が多いのは、やはり相続開始後です。
大切な方が亡くなって、気持ちが整理できない状況かと思いますが、相続手続きは期限が定められているものもあります。
そのため、まずは、相続後できるだけ早めにご相談をいただくのがよいでしょう。
2 相続放棄をするのは、3か月以内
たとえば、相続放棄の手続き期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から、3か月です。
相続放棄をする場合は、原則としてこの期間に家庭裁判所に対する申述を行わなければなりません。
放棄するか相続するかで迷っているときは、相続放棄の申述をするまでに、相続財産や債務の調査を行い、判断をしなければなりません。
3 相続税の申告は、10か月以内
相続税の申告は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
申告期限までに申告をしなかった場合や、少ない額で申告をした場合には、加算税などのペナルティが課されてしまいます。
申告までに遺産分割をまとめておく必要がありますので、早めに準備をする必要があります。
4 書類取得の相談・依頼をしたいとき
相続の手続きにおいては、さまざまな書類を効率よく取得しながら、相続人や財産の状況を調べる必要があり、慣れないと時間がかかってしまうので、取得についてアドバイスを受けるか、弁護士に依頼するのがよいでしょう。
5 相続人間での話し合いを適切に進めたいとき
弁護士に依頼するのは争いごとであることを表明することになり、避けたいと考える方もいるかもしれません。
そのため、弁護士に相談せずに相続人間で話し合いを進め、こじれて収拾がつかなくなってからご相談に来られる方もいらっしゃいます。
しかし、早めに相談することで、全体について整理・分析しながら、冷静に有益な話し合いを進めていくことが期待できます。
また、話し合いがうまく進まない場合でも、調停や訴訟など法的手続きをとることもできます。
弁護士に相談することで、心の支えにもなり、精神的負担を軽減させることができるでしょう。
以上のとおり、いずれにしても、お早めにご相談するのをおすすめします。